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「顧客育成」育てていくマーケティングの時代

日本人は「お客様は神様です」という言葉に慣れ親しんでいます。たしかに一度対価を支払ってもらった以上、最大の顧客満足を提供するのが、物販であれサービスであれ重要なことです。

 

しかし、この言葉の意味を理解しつつ、お客様をランク付けしてしまうということは販売戦略上どうしても不可欠でもあります。

多くの顧客を上位20%の優良顧客に育てていく

パレート最適という言葉がありますが、少数の(大体20%程度)お客様の売上は、全体の80%を占めるというものです。
つまり売上を上げたければ、上位20%のお客様に注目する必要があります。
ただし、そうでない80%のお客様を切り捨ててもいいのかというと、それは違います。

 

ここでタイトルにも上げた「顧客育成」の大切さが出てきます。

今すぐたくさんの売上に貢献してくれるお客様とは別に、その他大勢の80%の普通のお客様を、Webの記事やメルマガ発行などで、段々と上位20%の優良顧客に育てていく――というのが、この考え方の主眼です。

 

CVRという指標に注目しよう

名前を聞いたことがあるという方も多いと思いますが、ここでもう一度おさらいしておきましょう。
CVRはConversion Rate(コンバージョンレート)の略です。Conversionとは、もともと「転換する」といった意味ですが、インターネットマーケティングの文脈では、少し別の意味を持ちます。サイトへのアクセスのうち、どれくらいのユーザーが、最終的に商品の購入や申込みまで達成したかの割合を表す指標です。

 

「CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数 / 訪問数(セッション数)」という式によって表されます。

 

例えば、1000件のセッションで20件のCVを獲得した場合、CVRは2%ということになります。
さて、ここから面白いことが分かります。

 

ウェブマーケティング初心者の方は、とにかく集客だとか訪問者数ばかり気にする傾向にありますが、それは一面的な見方に過ぎません。
1000件ではなく100件しかセッションがない場合を考えてみます。
この場合に「あああ、アクセス数が1/10だあ」などと考えてはいけません。
そのうちCVが20件だとすると、CVRは20%となります。

 

重要なのはアクセス数ではなく、お金を生む成約数であるはずです。
この視点を持っておきましょう。

 

育てていくマーケティングの鍵はCVRにある

次に基本公式を変形します。

 

「売上= 購入者数×顧客一人あたりの売上」
という公式を以下のように変形します。

 

「売上= (新規顧客数+安定顧客数+優良顧客数)× 一人当たりの売上」

 

これで段階的な細分化ができました。
では、この新たな3つのセグメントはどのように確認すれば良いでしょうか。

 

Google Analyticsにデフォルトで「リピートの回数や間隔」というレポートで確認することができます。
特定の個人は突き止める、というようなことはマーケティングオートメーションツールを使わなければ不可能ですが、新規顧客数の割合・安定顧客数の割合・優良顧客数の割合を掴むことはできます。

 

()の部分は、さらに「見込み客数+新規顧客数+安定顧客数+優良顧客数」と細分化してもいいかもしれません。
この時に訪問回数で大体の目安は付きますが、より正確にはCVRを使います。

 

見込み客(セッションが1回しかない)× CVR
新規顧客(2-3回のセッションあり)× CVR
安定顧客(10回以上のセッションあり)× CVR
優良顧客(15回以上のセッションあり)× CVR

 

このようにCVRをそれぞれに対して掛け算することで、訪問したけど買わなかったユーザーが除外され、より正確なデータが抽出できます。

 

そしてコンテンツマーケティングなどの手法で啓蒙記事を書き、その記事でこのレートがどのように推移したのかを追いかけることができるようにます。
例えば、初心者向けの記事を多めにした時に「見込み客」から「新規顧客」への育成が非常に上手くいったという場合、こうした初心者向け記事は継続して投入していくべきです。

 

さいごに

ホームページは検索エンジンに評価される、ということだけが重要ではありません。
それぞれのグループの客層を意識して記事を作成していけば、それまでは商品を買わなかったお客さんが、買うようになっていくようになるはずです。

 

このように、ユーザーをセグメントして、段階ごとに育てていくというマーケティングの時代が来ています。
質の高い記事を投入していくには、こうした下準備と検証体制が欠かせないといえるでしょう。

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