はじめに
お客様の会社を訪問する中で、チームづくりについてのお悩みをお聞きすることがあります。多くの経営者や管理職にとっての大きな課題の一つが、チームでいかに成果を上げるか?ではないでしょうか?
当然ながらチームでの成果は、自分だけでなくチームのメンバーを動かすことでしか上げることはできません。
チームのメンバーを動かすために必要とされる要素に「リーダーシップ」と「マネジメント」があります。どちらもよく使われる言葉ですが、正しく理解できているでしょうか?
「リーダーシップ」と「マネジメント」を正しく理解し、チームで成果を上げたい方に、解説とともにチームを動かすヒントをお伝えします。
リーダーシップとは
単純に複数の人が集まっているだけではなく、チームとして成立する一つの条件が、チームに共通する目的があることです。会社でいえば、経営理念やミッション、ビジョンと言われるものです。リーダーシップとは、魅力的な共通の目的を掲げ、メンバーの意欲を高めて同じ方向に向かわせることです。
メンバーが努力して目指したいと思えるような目的を設定し、そこに向かうように士気を高める、そのためのコミュニケーションを惜しまないことが求められます。
組織図上のリーダーであることだけでなく、メンバーから信頼をされることで初めて意欲を高めることができます。そのため、リーダーの目指すべき方向性は、思い付きや好奇心で安易にブラしてはいけません。ブレるリーダーは信頼を失ってしまいます。
マネジメントとは
いくら全員の意欲が高くても多くのメンバーがいるチームでは、力が分散したり複雑なやりとりが増えてしまいます。
そこでメンバーの力を結集できるように、分析、調整、管理、計画、仕組みづくりなどを行うことが必要になり、これをマネジメントと呼びます。
効率的な組織運営を行い、メンバーの力の総和を最大化させることを目的にマネジメントを行います。
特にチームが成長しメンバーが増えるとマネジメントの重要性は増します。一方で、マネジメントとして管理一辺倒になってしまうことも多々あります。多くのルールで管理し樹種性が失われたり、目標管理が厳しくなりすぎることで、共通の目的を見失ったり、縦割りや個人主義の弊害が生まれることもあります。
あくまで、チームを効率的に運営したうえで共通の目的を全員で目指す組織作りの一環としてマネジメントを行うことを忘れてはいけません。
リーダーシップとマネジメントの両輪でチームは強くなる
ここまで、「リーダーシップ」と「マネジメント」について解説してきました。どちらもチームを動かす上で欠かせない要素です。しかも、この2つは正反対の概念ではなく、共存し、相互に高め合うものです。
リーダーシップだけでマネジメントの弱いチームは、非効率な運営や非現実的な計画に突き進み、結果としてチームとして大きなダメージを受けることになります。
一方で、リーダーシップは弱くマネジメントだけのチームは、メンバーが共通の目的に向かうモチベーションを高めることができず、チームとして高い成果は望めなくなります。
つまり、どちらの要素もチームには欠かすことはできません。しかしながら、どちらの要素についても十分に発揮できる人はごく少数です。名経営者に名参謀あり、と言われるように一人の人間ではなく複数の人が協力しあって、リーダーシップとマネジメントの両輪を回すことで、チームは強くなっていきます。