株式会社キューブ小田です。
主にディレクションとWebマーケティングを担当してます。
今日は少しややこしい話をします。
カタカナやアルファベットに拒否反応のある方は苦しいかと・・・
なるべくわかりやすくお話ししますので、少しお付き合いください。
さて、Webの業界にいると次から次へと新しい用語が生まれ、30才も超えてくるとついていくのに必死なわけですが、タイトルにあるような最近特によく聞く用語についてお話します。
・オウンドメディア
・インバウンドマーケティング
もうなんでこんなにカタカナが好きな業界なのかわかりませんが、Web担当者であれば、最近よく聞くキーワードだと思います。
絡むキーワードですし、解説していきます。
オウンドメディア(owned media)とは
平たく言うと自社が持ってるメディア(媒体)です。
Webサイトもそうですし、自社ブログやアプリもそうです。
ここに関して言うとWebだけではなく、実店舗や企業発行の雑誌やカタログも含まれます。
要するに自社の裁量で全てコントロールできる媒体です。
ここまではわかりますよね。
でもそれなら「自社媒体」って言っとけばいいじゃん。と思いません?
そもそもどうして「オウンドメディア」が流通したかというと、「トリプルメディア」というマーケティング用語が起因しています。
■トリプルメディアとは
・オウンドメディア(owned media)
さっき説明した自社コントロールが可能な自社の持ってるメディア(媒体)です。
・ペイドメディア(paid media)
広告費を払って出稿するメディア(媒体)のことです。
具体的にはテレビやラジオ、新聞広告やWebのリスティング広告なんかもここに含まれます。
・アーンドメディア(earned media)
信頼や共感を得るメディア(媒体)のことです。
具体的にはFacebookや口コミサイトなどのソーシャルメディアです。認知の促進等を期待できるものですが、企業側でコントロールできないメディア(媒体)です。
上記の3つをトリプルメディアと呼びます。
企業がメディア戦略を考える際に利用するマーケティングチャネルのことです。
広告という括りで考えると、一昔前であれば、マス広告にあたるペイドメディアが中心でしたし、それに対してWebサイトやブログといった自社から発信するツールが出現し、それが安価になってきました。そして、人々の生活にWebが馴染んでからはアーンドメディアといった口コミサイトやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が認知されてきたという流れです。
Webマーケティングにおいて、オウンドメディアが最も身近でコントロールできることから「オウンドメディア」にスポットが当たっていますが、オウンドメディアとはメディア戦略を考える上で必要な3つのメディアの中の1つです。
なぜ分けて考えるかというと1つ1つにメリットとデメリット、相性の良さ悪さがあるからです。
■メディアの特徴
オウンドメディアの最大のメリットは全てコントロールできる点です。
口コミサイトであるような身に覚えの無い悪評を書かれることなどはオウンドメディアでは絶対にありえません。
それにオウンドメディアは支払いを止めれば掲載されないペイドメディアと違い、蓄積されていきます。蓄積されたコンテンツは企業の資産となり、長期間効果を発揮するでしょう。
しかし、即効性は低いので短期的な効果は期待できません。
短期的に効果を得たいという状況なのであれば、最も効果が期待できるのがペイドメディアです。
即効性がペイドメディアの最大のメリットです。
しかしデメリットとしてはコストの問題や、蓄積されるものではないので、長期的な効果を期待するものではありません。
上記の2つのメディアに対して、アーンドメディアは自社発信でない分、信頼性は最も高いメディアです。
比較競争が当たり前であるWeb上で「信頼」や「安心」は重要な要素ですし、集客力のあるアーンドメディアとは上手く付き合う必要があります。
その一方でコントロールできないというのは最大のデメリットです。
アーンドメディアの情報がユーザーから信頼されるということはポジティブな情報であれば企業にもたらすメリットは大きいですが、ネガティブな情報は大ダメージを受けることも考えられます。
最もデリケートに考えるべきメディアがアーンドメディアです。
はい。オウンドメディアについては理解できましたか?
たぶんできましたよね?あまり自信ないですが、できたとします。
ではここからインバウンドマーケティングの話しに移行します。
インバウンドマーケティング(inbound marketing)とは
「インバウンド=内向き、入ってくる」という意味です。
皆さん「プッシュ型営業、プル型営業」ならよく聞かれたことがあるのではないでしょうか?
最近よくこれを「インバウンド営業、アウトバウンド営業」と言うケースが増えています。
少しインバウンド、アウトバウンド営業について。
アウトバウンド営業はテレマーケティング(テレアポ)や飛び込み営業に代表されるような攻める営業です。
対象者にニーズがあるかどうかもわからないので、中々根気が必要な営業手法です。
今の時代に適した方法では無いのではないでしょうか?
それに対してインバウンド営業とはWebサイトからの問い合わせ等の待ちの営業です。
待ちの営業のデメリットはお客さんに見つけてもらうという受動的な部分にありますが、探してきてくれたお客さんは間違いなくニーズがあるので、成約確度は高くなります。
インバウンド営業は上手くいきさえすれば理想的な状態ではないでしょうか?
インバウンドマーケティングとは広告等に頼らず、検索エンジンの検索やソーシャルメディアをきっかけに興味のあるお客さんに見つけてもらう、知ってもらう、理解してもらう、興味を持ってもらう、アクション(問合せ、購入)をしてもらう、という流れを作ることです。
勘違いしてはいけない従来と違う点
従来はアウトバウンドマーケティングとしてプッシュ型のアプローチでしたが、インバウンドを意識する上で勘違いしてはいけない点は「企業が発信したい情報」を配信するのではなく、「お客さんが知りたい情報」を配信する点にあります。
当然「お客さんが知りたい情報を提供して読んでもらっただけでどうなるんだ?」という意見は出るかと思います。
むしろそう思ってもらわなくてはいけません。インバウンドマーケティングはただのボランティアではないので。
インバウンドマーケティングの肝は2つ「見つけてもらう」と「顧客育成」です。
見つけてもらうためにはお客さんが興味を持ちそうな「お客さんの知りたい情報」を配信します。まずは見つけてもらって記事を読んでもらいましょう。
そして定期的に「お客さんの知りたい情報」を配信し、何度も来訪してもらうましょう。
そうすることで、「この会社は○○について詳しいなぁ。。」「この会社はこういうスタイルで仕事してるんだなぁ。。」といった印象、イメージをお客さんに植え付けます。
インバウンドマーケティングのデメリットは「即顧客」にはならない点です。
しかし、何度も何度も情報を取得してもらった上で問合せしてくれるお客さんは、すでに御社のことを「知っていて」「好感を持ってくれている」わけです。
こんな理想的な状態はないですよね?
例えば弊社の場合でしたら、
ブログでマーケティングについて書いていたり、デザインについて書いていたり、
「hp作成 大阪」「ホームページ作成 大阪」等の
キーワードでもある程度上位表示されていますので、
お問い合わせを下さったお客さんは
「よく勉強していると思ったから」
「社内の人がブログを通して見えたから」
「実際に上位表示されているので実力があると思ったから」
といったある程度好意的な状態でお問い合わせを頂いています。
こんな状態を作ることができるのがインバウンドマーケティングです。
さて一気に解説しましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
思ってたより長くかかってしまった・・・
お客さんからの質問が多かったというのもありますが、一気にこの2つのキーワードを解説したのは、どうしても絡み合うキーワードだからです。
まとめ
私、個人的にはアウトバウンド営業の会社も今の弊社のようにインバウンド営業の会社も経験していますが、どちらにも良さがあると考えています。
ただ、日本の企業が全体的にアウトバウンドマーケティングに限界を感じているとも感じています。
「アウトバウンドからインバウンドマーケティングに方向転換だ!とにかくホームページ作ってSEO対策や広告で集客して…」って考える前に大きくマーケティングという観点で戦略を考えてみてはいかがでしょうか?
自社の見直し、お客さんのニーズの確認等々、やってみるだけで見えてくることは多いのではないかと思います。