女性にモノ売るにはちょっとしたコツがいることをご存知ですか?
女性向けの商品やサービスであっても、男性だけで企画・制作を行うこともあり、女性に響かないものを作り上げてしまっていることがあるように感じています…
CUBEは代表をはじめ女性スタッフが多く在籍しており、女性視点で女性の心に届くECサイトのご提案を行っています。
今回は女性にフォーカスしたECサイト制作について、気をつけるポイントを3つの法則とあわせて解説します。
この記事の目次
CUBEでは、女性ディレクターと女性デザイナーが、女性特有の価値観や消費行動を踏まえ、女性の心に響くホームページをご提案しています。
はじめに
男性性と女性性という概念がありますね。身体的な性別とは別に、心理的・精神的な部分の「男性らしさ」や「女性らしさ」のことで、どちらも男女問わず1人の人間の中に存在している性質です。
人によって男性性と女性性の割合は違っており、その人の環境で求められる役割にも影響を受けることがあると言われています。
この記事では「男性」「女性」という表現で解説をしていますが、男性性の割合が多いタイプを「男性」、女性性の割合が多いタイプを「女性」としてご理解いただけるとスムーズです。
あなたの商品やサービスのターゲットになる人はどちらの割合が多いかを把握できると、どういったECサイトを目指すべきかが理解しやすいでしょう。
男性と女性のモノの買い方の違い
男性は、お目当ての商品売場に直行し、素早く購入して帰るというパターンの方が多いですが、女性の多くは目的がなくてもウィンドウショッピングを楽しみ、衝動買いしてしまうこともしばしばです。
男性にとって買い物は欲しいものを手に入れるための手段に過ぎないという考えがありますが、女性は買い物のプロセス自体を楽しみたいという気持ちがあります。
また、商品やサービスのことをよく調べ、スペックを重視して購入する男性に対し、女性はイメージや感覚で「ビビッとくるかどうか」で購入を決めることがほとんどです。
女性はいつも「本来あるべき自分の姿」になりたい
不思議なことに女性の多くは「今の自分は何かが違う、何かが足りない」という思いを持ち続けています。
もっと肌を美しくしたい、もっと家を落ち着く空間にしたい、もっと自分のための時間がほしい…など、心のどこかで漠然とした理想と現実のギャップを感じています。
男性なら、今の状況を分析して設定した目標(ゴール)に向かって自分ができることを整理していくでしょう。しかし女性はその目標を「本来あるべき自分の姿」として持ち続けています。
その目標の姿に「なる」のではなく、あくまであるべき姿に「戻る」というニュアンスで常にチャンスを求めています。そして、その理想の姿に「戻るだけ」なので、それほど難しいこととも努力が必要だとも思っていません。
つまり、簡単に手間なく目標を達成してくれるものが見つかれば「衝動買い」をしてしまいます。この女性心理を理解しているかしてないかで、売れ行きは大きく変わります。
では具体的に、女性に買われるECサイトの法則について説明していきます。
法則① 伝えるメッセージに一貫性をもたせる
話す内容に一貫性のある人は信頼できて、コロコロと話が変わってしまう人は信頼できない…というのは、なんとなくイメージできるのではないしょうか。商品やサービスも同じです。
あなたが販売している商品やサービスには、コンセプトやキャッチコピー、商品のパッケージやホームページのデザインなどがありますね。特にデザインは、ぱっと見ただけで多くの情報を与えることができますが、女性は感覚的に情報を捉えているからこそ、全体の印象が統一されていない・メッセージに一貫性がないと、違和感・不安を覚えてしまいやすくなります。
感覚を重視する女性の場合は、買いたいと思っていても、ちょっとした違和感や不安が生じると買うのやめるのが普通です。
細部までデザインを統一させる
グラフィックデザインにおいて、商品やサービスの持つ世界観やお客様に与える印象を統一させるために、その商品やサービスを取り巻くデザインに一貫したルールを設けるという常識のようなものがあります。
デザインというと色使いや装飾、写真などをイメージされるかもしれませんが、文字のフォントや行間、字間、改行位置などもそうです。お客様がそれぞれの要素から無意識的に受け取る印象がすべて統一され、一貫性のあるデザインになっていれば、感覚的に信頼感を与えることができます。イメージの違うメッセージが紛れ込まないように注意が必要です。
使用する文字のフォントと写真について、ポイントを解説します。
文字のフォント
文字のフォントにはさまざまな種類があり、堅実な印象を与えるもの、やわらかい印象を与えるもの、楽しい印象を与えるものなどがあります。あれこれたくさんのフォントを使うと本来伝えたいことが伝わりにくくなるだけでなく、違和感や不安な印象を与えかねません。フォント選びは、読み手にどんな印象を与えたいか、どんな気持ちになってもらいたいかをベースに考えましょう。
また、行間や字間によっても与える印象は変化します。勢いが欲しいのなら字間は狭く、ゆったりと優雅な印象を狙うのであれば行間や字間は広くするなど、ここも大切なポイントです。
同じ文章でもフォントによって見ている人に与える印象は異なります。
写真
写真は、ぱっと目を引き付けて「図」でメッセージを伝える力があります。
女性は得た情報を論理的に解釈するというより、頭の中でイメージして理解しようとすることが多いので、文字よりも写真を見せるほうが、より伝わりやすくなります。そのため、女性のお客様に写真が与えるインパクトは大きく、写真の構図・色味・被写体の雰囲気などによって、お客様が受け取る印象が決まってしまいます。使用している写真がイマイチではそのサービス・商品のイメージ=イマイチになりかねません。
やわらかい光の中で撮影した写真もあれば、光と影が明確なコントラストの高い写真もあったり、写真には温度や表情があります。その表情や温度がより近いもので統一し、一貫性をもたせることが大切です。費用はかかりますが、あれこれかき集めた写真よりも、同じカメラマンが同じ条件下で撮影した写真を揃えることができればベストです。
「雑誌」からヒントやアイデアを探る
特に女性向けのファッション雑誌などは、ライフスタイル・服の好みなどによって、ターゲットとなっている年齢層がしっかり決まっているのでかなり参考になります。競合が多い女性誌は、コンセプトがしっかりしていないと生き残れません。デザインはもちろん、イラストや言葉遣い、掲載されている広告にいたるまで、その雑誌特有の理念と哲学が貫かれており、印象にブレがありません。統一感を与える見せ方の参考になります。
あなたのお客様が手にとる雑誌を研究し、そのままの雰囲気を取り入れるだけで、全体の統一感が生まれます。違和感のない見慣れたデザインの中にあなたの商品やサービスがあれば、受け入れてもらいやすくなります。
法則② 急いで見ても印象に残る見出しをつける
ビジネスや趣味に多忙な現代人にとって、スマートフォンの高速スクロールや飛ばし読みは当たり前です。
また、文章を読むときに、男性は書かれている内容を順番に読んでいく傾向がありますが、女性は全体をざっと見て、興味がある部分だけを読む傾向があると言われています。
瞬時に自分に関係がある内容か判断した結果、読んでもらえなければお客様と出会ったチャンスが無駄になります。
あなたの商品やサービスに目を止めてもらうには、ざっと見をするときに一番読まれる「見出し」を工夫しましょう。
ぱっと目に入る工夫をする
見出しのデザインに視覚的なメリハリをつけて、絶対に読んでほしい部分を強調すれば視線を誘導することができます。なんとなく決めるのではなく、見出し部分だけをつなげて読んでも、おおよその内容が理解でき、興味を惹かれるようなものを考えましょう。
さらに目に飛び込みやすい長さになるよう、ぎゅっと凝縮した言葉の表現にしなくてはなりません。
ついついあれもこれもと情報を記載したくなりますが、長い文章に拒絶反応を起こす人は少なくありません。見出しを工夫して、本文もできるだけ短く簡潔にまとめることが重要です。
お客様にとっての読みやすさ・見やすさをないがしろにせず、感覚的に受け取ってもらえるようにしましょう。
文字サイズと文字量の違いで比較。 シンプルなデザインでも、文字にメリハリがあって、興味を惹かれる見出しで短くまとめられている方が読んでもらいやすい。
法則③ 購入完了まで迷わせないようにする
ECサイトを利用している際、買い物かごにまで入れたのに注文手続きが面倒で離脱する、いわゆる「カゴ落ち」はみなさん経験があると思います。
ECサイトの調査を行っているBaymard Instituteによると、過去16年間のデータから算出した世界平均のカゴ落ち率は「約70%」という調査結果が発表されています。ECサイトを運営している方からすれば、70%の商品やサービスがカゴの中に入ったまま購入一歩手前で眠っているという事実は、金額で見てもかなりインパクトの大きいものでしょう。
では、注文手続き中に「カゴ落ち」してしまう理由はどんなものがあるのでしょうか。
Baymard Instituteによると、商品以外の送料・税金・手数料の「追加コストが高い」や、アカウント登録などの要求による「チェックアウトプロセスが長い・複雑」、あとは「商品到着日が遅すぎる」など配送の問題があるようです。3つめの配送に関する問題は過去と比較すると、離脱理由の上位に上がっており、最短当日に商品が届くサイトもある中で、早く商品を届けて欲しいというニーズが高まっているようです。
お客様が気になることは買い物カゴに入れる前にすべて解決しておく
送料・配送方法・納期・支払い方法・支払い手数料・プレゼント包装はできるか・領収書を発行してほしい場合どうすれば良いか、お客様の状況によって知りたい情報はたくさんあります。
特に送料や手数料など追加でお金がかかる場合には、あらかじめカート投入前に明示しておくことがおすすめです。
金額的には大きいものでなくても、想定していた金額よりも高くなることでお客様の心理的負担が大きくなってしまい購入をためらってしまうことに繋がりかねません。そうでなくても初めての店で買い物するときは誰でも不安に思うものです。本当に買ってもいいのだろうかと迷う要素がひとつでもあると買わない理由になってしまいます。
過去にお問い合わせがあった内容などは、あらかじめすべて表示しておくようにしましょう。
簡略化された会員登録プロセスにしておく
お客様は「面倒くさい」と感じると、すぐに離脱してしまいます。購入完了までに必要な入力が多いと「カゴ落ち」の割合は増えていきます。お客様にスムーズに購入手続きを完了していただけるように、このプロセスを見直すだけでも売上はかなり変わってきます。
会員登録の手間を簡略化する方法についてですが、EFO(入力フォームの最適化)対策やソーシャルログイン機能の実装などが候補に挙げられます。
登録時にフォーム入力方法を分かりやすくし、残りの項目数を明示的に表示することで、ユーザー側は入力が必要な項目数やどこまで進んでいるのかがわかるため途中での離脱を回避する効果が期待できます。入力フォームのASP(Application Service Provider)サービスもたくさんありますので検討してみましょう。会員登録の際にAmazonやLINEアカウントでのログインを実装するのも便利で良いです。
まとめ
今回は女性にフォーカスしたECサイト制作のポイントについて解説しましたが、男性がターゲットの場合でも本質は大きく変わりません。商品やサービスが買われるサイトを作り上げていくには、文章を考えたりデザインをする前に、ターゲットのお客様についてのリサーチがしっかりできているかが一番重要になります。男女差に囚われることなく、お客様が持っている価値観を把握して冷静に分析しましょう。
またECサイトは制作して終わりではありません。運用後は「実際に購入したお客様のリアルな声」を拾い上げ、商品やサービスを改良していくことで売上が成長していきます。
女性スタッフが多く在籍する弊社では、ヒアリングからデザインまで、女性視点のきめ細やかさで女性に響くサイトをご提案しています。
女性向けの商材を取り扱っているけど「どんなECサイトにすれば良いかわからない」、すでにお持ちのECサイトの「売上が伸び悩んでいる」などお悩みがございましたら、一度お気軽にご相談ください。