株式会社キューブの小田です。
主にフロント業務とWebマーケティングを担当しています。
制作や運用をしていると多くのケースで感じることのひとつに
ユーザーは制作者やWeb担当者の意図に反して、非合理的な動きをすることが多いということが挙げられます。
今回は特に「ほんと困った子・・・」というターゲット層を紹介から
「ライトなユーザビリティテストの方法」までお話しさせて頂きたいと思います。
★index
■ホームページの制作現場
■F2層(35歳~49歳)とシニア層の場合
■ライトなユーザビリティテスト
■テスト後の動きや考え方が重要
■まとめ
ホームページの制作現場
ホームページを制作する際にコンセプトや目的、ターゲットの設定、導線設計等々を行い
制作者側は経験を持って、Web担当者側は意図や想いを持って、
持ち寄った情報を議論した上で、構築するわけですが、
いざ公開してみると、ユーザーは「え?」という動きをしてみたりします。
これは多くの方が経験されていることかと思いますが、なぜこういったことが起こるのでしょうか?
・導線配備のワンパターン化
制作現場にいるとどうしてもクリーンな状態で導線配備を考えてしまいがちです。
「トップページ」→「サービス案内」→「料金一覧」→「会社概要」→「問合せ」
みたいなコアプロセスと言われる成果に至るまでの導線設計です。
ただ、コンテンツマーケティングなんて皆さんが言うように、
現在のホームページはトップページ以外のページから閲覧開始されることも
ものすごく多いのです。
その「トップページ以外からの流入」が多くなれば多くなるほど、
最初に設計したコアプロセスが崩壊します。
少し立ち止まって考えればわかることですが、結構ここは疎かにされています。
上記はまだ想定できる範囲ですが、
それ以上に制作者や運用の現場を悩ますのはターゲットの属性です。
F2層(35歳~49歳の女性)とシニア層の場合
結構ユニークな動きをする傾向が強い女性(35歳~49歳)層とシニア層の2つですが、
最近感じるのがホームページ上の動きとしては結構この2つの属性って近いんじゃないかと。。
私が遭遇した特徴を数点とその対策について・・・
1.「英語はスルーする」ことを前提とする
素敵なデザインにするために英語が使われていることって多いですよね?
もちろん純和風なデザインでない限り、
英語をまったく使っていないホームページは探すほうが難しいんじゃないかと・・・
ただ、小見出しにあるように、
英語を使ったデザイン(要するに今のほとんどのデザイン)では
気をつけなければならないポイントがあります。
要素の「イメージ」と「アナウンス」の切り分けです。
イメージに関しては当然、見た目の心地よさやインパクトが重要となります。
ユーザーに「ここはなんか良さそう」「探してる情報がありそう」と
思ってもらわないことには次のステップ、
強いては目標達成(コンバージョン)にはいたりません。
ファーストビューと言われるエリアには必ずこの「興味付け」が必要です。
ちなみにこれはトップページに限ったことではありません。
ご覧頂いている弊社のBlogでも、
アクセス数及び平均滞在時間が優秀な記事を20件リストアップすると
Blog内にメインビジュアルを設定している記事は20件中19件でした。
弊社のBlogは閲覧開始ページ(ランディングページ)になるケースが多いということもありますが、各種ページのメインビジュアルを中心としたイメージ訴求は大切な要素です。
ただ、上記にあるように「英語はスルーする」という傾向はユーザビリティテスト、ABテスト同様に特にこれらのターゲットに色濃く生じます。
特に注意が必要なのは
「ボタン」と「バナー」です。
「イメージ」を提供するビジュアル面と実際にアクションしてもらうボタンやバナー等の「アナウンス」を切り分けて構成しないとユーザーにとって「良いWebサイト」にはなりません。
「よし!日本語だったらいいんだな!」とすべて日本語化しても問題が生じます。
カタカナだって同様に敬遠されます。
例として皆さんに問いかけたいのですが、Webサイトでよく使われる「トピックス」
新着情報やニュースと同様の扱いで使われることが多い単語ですが、
正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか?
「ニュース」ほどメジャーになれば問題無いようですが、明確に説明できない可能性のある単語はカタカナであったとしても敬遠されるようです。
もう個人的には「新着情報」でいいんじゃないかと。。
すべてはバランスです。
特にシニア層に関しては
「英語は見えてないんじゃないか?」と思えるほどのスルーっぷりですので、
注意が必要です。
2.「見始めのラインは最上部ではない」
これもこの2つのターゲット層特有だと思うのですが、
ランディングしたページの最上部(ヘッダー)をスルーする傾向があります。
根拠としては、アクセス解析でヘッダにある導線はクリックされない傾向があるのと、
ユーザビリティテストをしてみると、上部のみに置いている「送料無料!」や
「使用可能なクレジットブランド」がまったく認識されていないことが多くあります。
これは男性や若年層には見られない傾向ですが、
「重要な情報は上部に」というセオリーはこの2つの層には当てはまりません。
■ライトなユーザビリティテスト
ユーザビリティテストを実施すると大掛かりで多額な費用がかかるのではないか?
とお考えのお客様が多いのですが、ライトなユーザビリティテストでも十分な情報が引き出せることが多くあります。
ユーザビリティテストには定量的なテストと定性的なテストがあります。
定量的なテストは数がモノを言うのである程度の規模が必要です。
しかし定性的なテスト、要するに「使いやすく感じる」「わかりづらいと感じる」「●●といった印象を受ける」等々は3~5人もいれば十分です。
※なんかユーザビリティの偉い人が5人いれば85%の問題は解消されると言ってました。
私がやってるのはメインターゲットの知り合いにお願いして、目の前で操作してもらい、その時の感情や行動をすべて口に出してもらい、定性的な問題点をメモしていくやり方です。
例:「読みづらいなぁ」「え?さっきのどこいったん?」「じゃあこのページ見まーす」等々
皆さんも一度やってみると感じるかと思いますが、親切心でやってる機能やレイアウトが逆に混乱を招いていたり、提供したい印象とは違う印象を与えてしまっていたりと様々な発見があると思います。
定量的な分析はある程度アクセス解析で可能だと思いますが、この定性的な分析はアクセス解析では拾えない情報です。
■まとめ
ユーザビリティテストをして、「こんな印象を持たれていて、ここに問題がありそう」ということがわかっても、その後、改善のためのアクションが実施されなければ当然意味を成しません。
これはアクセス解析の現場でも言えることですが、解析、分析、テスト後にしっかり改善のためのアクションを実行しているかどうかが最重要です。
一回やってみるととても面白い結果がでると思います。
最近私はよくユーザビリティテストをしていますが、毎回面白い結果が出てくるので、飽きません。