ホームページを制作する際に複数の制作会社に見積もりを取ると「見積もりがバラバラ・・・」なんてことは多くあります。
一番安い会社と一番高い会社の見積もりが2倍や3倍違うこともあるでしょう。
お客様に全ての見積もりを提示されて「ぶっちゃけ、どう思う!?」と聞かれることも多いのですが、その際、私は以下のように回答します。
「高くなくてもいいとは思いますが、極端に安いのは危険です」
今回は上記の理由とホームページ制作の見積りに関するアレコレについて記載します。
1.なぜ価格差が起こるのか?
まず認識して頂きたいのは、
ホームページ制作は車や家電を売ることとは大きく異なるということです。
同じ型式の新品の冷蔵庫を買うとなれば、皆さん安いほうがいいと思います。
私も絶対そうです。
なぜならその「安い価格」は量販店が仕入れ価格を下げたり、利益を薄くしたりという努力をしてるので、消費者にとってのデメリットは少ないからです。
ではホームページ制作の場合は何が違うのでしょうか?
ホームページ制作の見積りの基本は
「工数計算」
です。
「工数計算って?」とハテナが飛ばれる方も少なくないと思います。
厳密には違いますが、ばっくり考えて「人件費」とお考えください。
その会社ごとに
デザイナーの1時間当たりの単価、プログラマの1時間当たりの単価・・・
といった具合に時間計算しています。
人件費ですから見積りが変わる要因は大きく2つに分けられます。
・品質が高い、低い
・制作に関わる時間が長い、短い
この2つの要素が主な見積もりの軸です。
■品質について
高い単価で設定されているホームページ制作会社が一概に品質が高いとは言い切れません。
ただ、その会社が長く存続しているのであれば
「高い単価で売れている会社である」ことは間違いないですよね。
高い単価で売れる理由は様々でしょうが、それはその会社の品質です。
もしあなたが数社の提案を受けた結果、高い単価の制作会社に魅力を感じたとしたらそれは品質が高いと考えて問題ないと思います。
■制作に関わる時間について
ここでの論点は単価ではなく、制作時間です。
単純に1ページ作るのに30分でぱぱっと作るのか3時間かけて作るのかによって、当然最終価格は変わります。
ここで最も影響するのが修正です。
制作会社によって修正回数等々に条件があります。
そのあたりも事前に確認しておくと制作開始後のトラブルは事前に防げます。
2.企業規模マジック
これも家電等の売り物とホームページ制作で最も違うところなのですが、家電量販店が家電を安く仕入れようと思えばたくさん仕入れますよね?
たくさん仕入れれば1つあたりの単価が落ちて、結果安く消費者に提供することできます。
なので小売の世界では
資本力のある大企業 = 安く提供することができる
資本力のない小企業 = 仕入れが高いので、割高
となることが多いです。
大型家電量販店と街の電気屋さんで価格差が生じるのはこれです。
しかしホームページ制作は大企業の方が高くなるケースも少なくありません。
理由は大企業であればあるほど、固定経費が大きくなります。
オフィスの家賃や間接部門(直接売り上げを上げない総務、経理、人事など)の人件費が見積もりに乗ってきます。
よく考えれば当然の話なのですが、ここは最も見えにくい部分です。
ただ、「じゃあ大企業はやめとこー」と一概に考えるのも危険です。
当然、小さい会社にもデメリットはあります。
弊社にご依頼いただくきっかけの一つに「付き合ってる会社がつぶれた」という理由があるように、会社の規模や社歴を含め検討することをオススメします。
また、最初からネガティブなことを考えるのは良くないかもしれませんが、関係が悪くなった場合、他の会社にスムーズに引き継ぐことができるかどうかも確認しておくと、より万全です。
3.条件の統一
ホームページは形の無いものをご提案します。
「コスト度外視で提案しろ」と言われればいくらでも高い提案が可能です。
そこにホームページ制作の見積りの落とし穴があります。
真面目にお客様のニーズと未来を考えて提案した営業A君と
お客様のヒアリングはそこそこに提案した営業B君だと
B君の見積りの方が安かったりしてしまうからです。
理由は営業A君はお客様が公開後使いやすいように更新システムの設計をしっかりとし、その後の展開がしやすいように土台が整備された提案しました。
営業B君は見積りが通ればいいという発想で、とにかく安く使い勝手の悪い更新システムを提案しました。
ここをお客様ご自身が見分けるのは難しいと思いますが、結構ある話です。
複数社の見積りを取る時は極力条件を統一し、営業君にはデメリットを聞くのも一つだと思います。
番外:とんでもなく安い会社のカラクリ
たまにありますよね。初期構築0円!とかっていうとんでもないホームページ。
あれはどうなってるのか?というと、結局は月額のランニング収益で回収しているわけです。
ホームページを毎年リニューアルされている方は少ないと思います。
例えば3年使ったら・・・で計算してみるのもいいかと思います。
また、初期コストを削ることができる理由としてはテンプレートデザインを採用しているところも多いです。
いくつかのデザインレイアウトが用意されていて、画像や文字だけを変更するパターンです。
これをご覧頂いているあなたが、
「全くこだわりがなくて、どこかで見たことあるような他と同じようなホームページが欲しいんだ!」という方でなければオススメはしません。
まとめ
「価格が安い」というのはお客様にとっては大きなメリットです。
「同じ物」が「安く」手に入れば言うことなしですが、
ホームページに関しては「ただ安い」という現象は起こりえません。
看板や名刺代わりとしてのWebサイトであれば安くてもいいと思います。
そのWebサイトから「問い合わせが欲しい」「資料請求を増やしたい」と思えば、しっかりとした設計と理屈のあるデザインが必要です。
ご自身が「何を目的」としているのか、お考えになられてから取捨選択をされてはいかがでしょうか?