仕事を効率的にこなしていくためにはチームで動くことが必要です。
いくら優秀だからと単独のスキルだけで頑張るよりも、やはりチームで取り組めばその効果は無限大に広がります。
チームをつくるためには、当然、人数が必要となりますが、ただ人数を集めただけではチームとして一体感もなくモチベーションも継続せずチームとしての力は発揮できません。
チーム育成・組織化をするためには何が大切なのかを考えていきます。
この記事の目次
生き生きとした組織に存在する「秘密」
就職活動時の会社訪問や、入社後の取引先訪問で「会社にはいろいろな雰囲気があるものだ」と感じたことがあるはずです。活気に満ちている会社もあれば、寡黙な雰囲気の会社もあります。
この違いは単なるオフィスのインテリアデザインの違いなどではなく、その組織の持つ見えない活力が空気に現れています。
活性化している組織の特徴として、経営学者は以下のようなことを述べています。
個々がチームの一員である自覚がある
プロジェクトを遂行するためのチームの一員として、目的に向かって「自分ごと」として活動していること
健全なトップダウンができている
経営トップの意向を、メンバーが適切に把握して迅速に行動していること
風通しがよくコミュニケーションが自然
メンバー同士、適切なコミュニケーションが取れており、共通の認識を持っていること
水平的つながりの風通しの良さがあること
これらの条件を満たせば、組織は活性化すると言われています。
チームの一員としての自覚があることで、いわゆる「やらされている感」がなくなります。仕事をやらされていると感じている間は新しいアイディアも出てきませんし、自分から進んで仕事に取り込めません。この結果最低限の仕事をこなすことしかしなくなってしまいます。
また、活性化しているチームはなんでもかんでも自由というわけではなく、信頼するトップ、直属の上司の命令に従うことがむしろ喜びである、という雰囲気を出します。
その秘密はモチベーションにあります。
トップや直属の上司を信頼して、この人の言う事なら間違いないだろうと安心できれば、仕事に没頭することが可能です。その反対に、自由にやらせてくれるが責任はとってくれないというトップの場合には指示に従うことも積極的になれません。
そして重要なのは、そうした思いを自分だけが抱いているのではなく、組織のメンバー全員が共通の認識を持っているということです。自分ひとりだけがやる気を出しても、周りの同僚が白けムードでは自分のモチベーションも長続きしません。まわりの同僚と常にコミュニケーションを取り、よりよい結果を出すため、快適に仕事をするための時間をきちんと取ることは、生き生きとした組織づくりにとって非常に重要なことです。
チームづくりの取り組みは企業規模により違う
人事政策には人事管理と労務管理があります。人事政策は採用活動、社員の育成、公正な評価、人事異動、昇格降格、配置転換などを行います。
労務管理は福利厚生の充実、労働安全衛生の確立、労使関係の調整、労働組合との折衝などがあります。
ひとくちに人事政策と言っても、中小企業と大企業ではかなり違ってきます。以下、それぞれについて分けて解説します。
中小企業の人事の特徴
中小企業の場合は、人事管理と労務管理を明確に分担しているところは稀です。そもそも従業員が数人規模の会社の場合には、労働組合もありませんし、福利厚生と言っても保養所を管理するなどもほとんどありません。
その反対に、組織が厳格に縦割りになっていませんので、人事管理は極めて重要です。
例えば中小企業でよく問題になるのが、仕事の「属人化」です。
会社に古くからいるAさんという技術者に聞かないと、社内のシステムの重要な部分が全くわからないという状態は、小さな会社ではよくあることです。また、経理のBさんがいなくなると会社の重要な帳簿について分かる人が誰もいない、という状況もありがちです。
中小企業の人事は、こうした属人化が起きないように適切に「担当者」を育てる人事政策が極めて重要になってきます。
大企業の人事の特徴
大企業の場合は人事管理も労務管理も細分化されています。
採用活動をするチームは基本的に配置転換などには関わりません。社員の育成の専門部隊は外部から講師を呼んで社内研修を行ったり、レポートを提出させて管理したりが専門です。公正な評価、人事異動、昇格降格、配置転換などの重要な人事判断は、役職のあるものだけがやることが多いです。
また、労働組合関係の部署が、福利厚生について同時並行で業務をこなすということもありません。細分化されている分、個々の仕事はやりやすいですが、全体をきちんと管理する体制が必要となってきます。
さいごに
以上、組織と人事に関心のある方へその基本的な重要ポイントを解説しました。自分にとって必要なのはどの部分なのかを見極め、よいチームづくりに生かしていきましょう。