ホームページの自作や格安発注を試みた中小企業の約87%が失敗しており、その理由は予算超過、品質不満、更新放置の3つです。
この記事の目次
この記事でわかること
- ホームページ自作の失敗率87%とその主な原因3つ(予算超過、品質不満、更新放置)
- 無料のはずが年間10万円以上かかる具体的なコスト内訳
- 問い合わせが来ないホームページの5つの共通問題
- 失敗した企業の34%がプロに作り直しを依頼している実態
- プロに依頼すべき5つのタイミングと判断基準
- AI時代における制作会社の本当の価値
先月、商工会議所のセミナーで隣の席になった社長さんが、休憩時間にこう言ってました。
「うちも、ChatGPTでホームページ作れるんじゃないかと。若い社員がWixで試しているんです。」
そして、そのあと経過を聞いてみると、まだ作成中でもう3ヶ月くらい経っているとのこと…。
ホームページ自作が増えている背景とは
生成AIの利用率は2024年で26.7%、野村総研の予測では2025年には38.9%まで上昇するとされています。
総務省の「令和6年版情報通信白書」(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/)
つまり10人中4人くらいがChatGPTを使ってるという計算になります。
私たちCUBEは大阪でホームページ制作を20年やってますが、ここ1、2年で「実は一度自分で作ってみたんですが…」っていう相談が明らかに増えました。体感で2倍くらいです。
自分で作れるという声も聞くし、簡単に作成できるというサービスもあるので、自分で作ってみようと思う気持ちはとても良く分かります。
ホームページ制作の価格相場はどれくらいか?
ホームページ制作の料金は、調べれば調べるほど混乱します。
主な価格帯は以下の4つです。
- AIビルダー(Wix、Jimdoなど)→無料~月額3,000円程度
- フリーランス→2万円から20万円
- 中小制作会社→50万円から200万円
- 大手制作会社→300万円以上
といったところが相場かなと思います。
最安値と最高値で100倍以上の差があります。
「100万円払うなら、まず無料で試そう」と考えるのは当然の判断です。
なぜホームページ自作の87%が失敗するのか?
ホームページの自作や格安発注を試みた中小企業のうち、約87%が「想定以上のコスト増」「成果が出ない品質」「運用停止」といった、事業上の支障が出る問題に直面
日本能率協会総合研究所が2024年11月に発表した「中小企業デジタル化実態調査」(https://www.jmar.co.jp/)
失敗する理由は大きく3つです。
理由1 予算超過(想定外のコスト発生)
調査では失敗理由の1位が予算超過で、42.3%を占めています。
序盤に書いた商工会議所で会った社長さんにその後日、ホームページの進捗を聞いてみると
「全然できないから、結局やめたわ!」とのことでした。
無料プランで始めたけど、独自ドメインを使うには有料プラン(月2,500円)が必要ということと
写真素材をAdobe Stockで購入したら1枚2,000円、10枚で2万円。
デザインテンプレートも有料のものを3万円で購入。
そして、気づいたら初年度で12万円以上使っていたそうです。
「無料やと思ってたのに時間もお金もかかって結局できないなんて」って苦笑いしていました。
Wix自体は、めちゃくちゃ優秀です。ツールとして本当によくできてると思います。
ただ、ビジネスで使えるレベルにしようと思ったら、どうしてもコストかかってしまいます。
理由2 品質不満(素人感が拭えない)
失敗理由の2位が品質への不満で、38.7%です。
他社さんの例もあります。
頑張って自作したけど、半年経っても問い合わせが1件も来てない。というお問い合わせをいただいたこともあります。
ホームページを見せていただくと、見た目はそこそこきれいではあるのですが、やっぱり素人感が見えてしまいます。
素人が作ったホームページの典型的な問題点は5つあります。
- 1 トップページを見ても何の会社なのかすぐわからない
- 2 サービスが並んでいるが強みが伝わらない
- 3 お客様の声や実績がない
- 4 料金表示
- 5 スマホ表示で崩れている
パッと見がきれいでも、何も伝わらないという結果になっています。
理由3 更新放置(運用が続かない)
失敗理由の3位が運用継続の困難で、31.2%です。
別の会社の話です。
1年前に20代の社員さんががんばってWixで作ったホームページ、最初の1ヶ月は結構頻繁に更新されていましたが、2ヶ月目には週1回、3ヶ月目には月1回。半年後には完全にストップしていました。
今そのホームページを見ると、去年のキャンペーン情報がトップに載ったまま…。
スタッフ紹介のページには、半年前に辞めた人の顔写真が残ってます。
更新が滞りすぎると、信用に影響も出てきてしまいます。
自作のホームページ制作に失敗した企業はその後どうしているのか
リニューアル需要が前年比118%で伸びており、そのうち「自社制作・格安制作からの作り直し」が34%を占めています。
矢野経済研究所の「Web制作市場に関する調査2024」(https://www.yano.co.jp/)
つまり、失敗した会社の多くは、体感ですけど、結局プロに作り直しを依頼しているのかなと思います。
たまに「もうホームページはどうでもいいわ…」ってなる会社もありますけど、それはかなり少数派です。
しかも、最初より高い予算を出さざるを得ない状況になっています。
なぜ無料で作ろうとしたのに結局高く費用を書けるようになるかというと
一度失敗してしまうと、もう値段ではなく「もう失敗したくない」「ちゃんとしたとこに頼みたい」という気持ちになってしまうということなんです。
どんな会社がホームページ制作のプロに依頼すべきか?
プロに依頼すべきタイミングは5つあります。
- 1 創業時や新規事業立ち上げ時
- 2 採用活動を本格化させる時
- 3 取引先からの信頼を高めたい時
- 4 ホームページで集客や売上を伸ばしたい時
- 5 自作や格安発注で失敗した時
要するに「ホームページを営業ツールとして使いたい」なら、最初からプロに任せた方が結果的に時間もコストも安上がりです。
ホームページが「とりあえずあればいい」程度なら、自作でもいいと思います。
ホームページ制作会社が提供する価値とは何か?
広く誤解されていると思うのですが、ホームページ制作会社って結果的にホームページを作ることには変わりはありませんが、単に「ホームページを作る会社」ではないということです。
中には、本当に作るだけの会社もあると聞きますが…、CUBEはそうではありません。
プロのホームページ制作会社が提供する価値は6つあります。
- 1 会社の強みを整理する戦略策定
- 2 ターゲット顧客の明確化
- 3 競合との差別化戦略
- 4 成果につながる導線設計
- 5 ブランドイメージの統一
- 6 公開後の継続的な改善
要するに「事業を伸ばすパートナー」です。
自分たちだけでは考えられていなかったり見つけていなかった強みも明確になり、ブランド力も上がるという、ホームページを作る「過程」にはすごく大切な要素が含まれていると考えています。
私は、CUBEでホームページ制作を20年2000社やってきて思うのは、業種ごとに全然悩みが違うということです。
製造業なら技術力をどう伝えるか。
美容室ならターゲット層にどう響かせるか。
士業なら信頼感をどう出すか。
私も最初から全部わかってたわけではなく、数々のお客様をディレクションさせていただく中で学び、深めてきました。
AIとプロのホームページ制作会社の違いとは?
この頃「AIに仕事取られるんちゃう?」とよく聞かれるんですけど、私たちもAIをかなり使って仕事しています。
業界の調査・資料作り・画像生成・動画生成・分析等、様々で使えます。
ただ、AIに任せれないことも沢山あります。
「その会社の強みは?」「誰にどんな価値を提供してる?」「競合とどこが違う?」
こういったことは、やっぱりお客様としっかり対話しないとわかりません。
AIは便利な道具ですですがでもやっぱり、人の気持ちや歴史を現状に繋げて戦略を考えるのは人間の仕事であり、私たちの得意分野だと思います。
ホームページ制作費用100万円は高いのか
「100万円は高い」と言われることもありますが、私は、現場を見て、出来上がる品質と、投資対効果を思うと高くないと感じてます。
ホームページから月に10件問い合わせが来る。そのうち1件成約する。平均単価100万円なら年間1200万円の売上です。100万円の投資が、初年度で12倍になって返ってきます。
一方で、無料で作ったホームページが何の成果も生まないのであれば、それは「無料」ではなく「機会損失」です。時間も、お金も、チャンスも、全部失っていることになります。
信頼できる制作会社の選び方とは?
制作会社を選ぶ際に確認すべきポイントは5つあります。
- 1 自社の業界での制作実績があるか
- 2 いきなり見積もりではなくヒアリングを丁寧にするか
- 3 公開後のサポート体制があるか
- 4 担当者との相性が良いか
- 5 料金の内訳が明確で追加費用がないか
もし今、ホームページ制作会社を探してるなら、一度話を聞かせてください。
「本当に今作るべきか」から一緒に考えます。
無理に高いプラン勧めることはしません。
「ドメインって何?」みたいな基本的なことでも大丈夫です。
「今あるサイトの更新だけお願いしたい」でもOKです。
まとめーホームページ自作で失敗しないために
「ホームページ、このままで大丈夫かな」と一回立ち止まって考えたい時は、是非お話し聞かせてください。
この記事のポイントを3つ
1 ホームページ自作の87%が予算超過・品質不満・更新放置で失敗しています
2 失敗後にプロに依頼する企業が急増しており、リニューアル需要の34%を占めます
3 ホームページを営業ツールとして使いたいなら最初からプロに依頼した方が結果的に安上がりです
AIが普及して、誰でもホームページ作れる時代になりました。
でも「成果が出るホームページ」を作れるわけではないということです。
むしろ、だからこそ「戦略」と「経験」の価値が上がってる気がします。
参考データ
- 総務省「令和6年版情報通信白書」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/
- 日本能率協会総合研究所「中小企業デジタル化実態調査2024」https://www.jmar.co.jp/
- 矢野経済研究所「Web制作市場に関する調査2024」https://www.yano.co.jp/
